2001年11月29日発売
2007年。土砂降りのハドソン川。
一隻のタンカーがジョージワシントン橋の下をゆっくりと通過して行く。
そのタンカーに橋からステルス迷彩を纏った影が降下していく。
見事な宙返りを決めた後、甲板に着地。
直後。空間が歪み、バチバチという音と共に一人の男が姿を現す。
着地の衝撃でステルス迷彩が故障してしまったようだ。
「待たせたな。」
男はソリッドスネーク。
シャドーモセス事件後、スネークはオタコンと共に反メタルギア財団「フィランソロピー」を設立。
世界中に拡散したメタルギアを破壊する活動を行っていた。
メタルギアを広めた原因はオセロット。
シャドーモセス事件で手に入れたメタルギアのデータをブラックマーケットに流したのだ。
世界中で亜種が次々と完成し、メタルギアは珍しい兵器ではなくなった。
そんな中フィランソロピーはアメリカ海軍が極秘に水陸両用の新型メタルギアを輸送しているという情報をつかんだ。
スネークが降り立ったタンカーこそが、メタルギアを輸送するための海兵隊の偽装タンカーなのだ。
スネークが潜入した直後、甲板に無数の兵士達が現れた。
ロシアのゴルルコビッチ大佐の私兵部隊だ。
乗組員に変装していた海兵隊達を次々と殺害。
タンカーを乗っ取ってしまった。
スネークはロシア兵達の警備を掻い潜りながら、船内へ潜入。
目的地を突き止めるため操舵室へ向かう。
操舵室へ到着するとそこには乗組員達の遺体が転がっていた。
船の目的地は北緯35度、西経58度。
「太平洋のド真ん中。新型は独自演習が可能なほど完成しているのか…」
無線越しにオタコンが口を開く。
「後で詳しいデータは分析するとして、スネークは船倉へ行ってメタルギア本体を…」
そこまで言いかけた時、外から物音がした。
甲板へ出て物音の先へと向かうスネーク。
そこには一人の女兵士がいた。
オルガ・ゴルルコビッチ
船を占拠したセルゲイ・ゴルルコビッチの娘。
無線でセルゲイと連絡を取っているようだ。
「動くな!」
無線を切ったところを見計らい、スネークが銃を向ける。
銃を川へと捨てさせる。
「腰のナイフも川へ投げるんだ」
オルガはナイフを手に取ると、隙を見てナイフの柄をスネークへと向ける。
ナイフの柄から弾丸が発射された。仕込みナイフだった。
スネークは紙一重で銃弾を避ける。
オルガとの銃撃戦が始まった。
激しい撃ち合いの末、スネークは麻酔銃でオルガを眠らせた。
そこへ陸軍の無人偵察機「サイファー」が現れ、スネークの姿を撮影。空へと消えていった。
オタコンから無線が入る。
今回の偽装タンカーの情報は普段のようにオタコン自身が見つけたネタではないという。
EEという人物からのタレコミだったらしい。
オタコンには妹がおり、名前は「エマ・エメリッヒ」オタコンはEEと呼んでいた。
オタコン自身も裏付けは取っているようで、情報は信頼できるらしい。
オルガの持っていたハンドガンを入手。船倉のメタルギアへと向かう。
船倉では海軍大佐の演説が行われていた。
海兵隊達はタンカーが占拠されていることを知らないようだ。
スネークは船倉へ続く水圧扉を開けて中へと潜入する。
その扉をロシア兵がゆっくりと閉めた。中へ閉じ込めるつもりだろうか。
そこへオセロットが姿を現し、ロシア兵を殺害した。
「同士よ、大佐と共に沈め!」
スネークは船倉の奥へ潜入。
演説を行う海軍大佐の背後にそれはあった。
新型メタルギア「メタルギアRAY」
スネークは写真を撮影し、オタコンへデータを送る。
そのデータをNGOのホームページへ掲載し、世界中へ情報を発信するという目的だった。
演説が終わった船倉へ男の声が響き渡る。
「いい演説だった。さすがは海兵隊司令官。演説(はなし)が上手い」
「何者だ!?」
海兵隊達が一斉に銃を向ける。
「俺はシャラシャーシカ!またの名を…リボルバー・オセロット!」
スネークは2年前のシャドーモセス事件を思い出していた。
こいつを奪うつもりか?という問いにオセロットは
「奪う?返してもらうのだよ」と答える。
するとセルゲイとロシア兵達が現れ、海軍大佐を人質に取り船倉を占拠する。
ロシア兵達は船内へセムテックスを多数仕掛けた。
セルゲイは「これでロシアを再建する」と主張。
それにオセロットが口を開く。
「ロシアの再建などに興味はない。返してもらうと言っただろう?愛国者達にな!」
「らりるれろだと!?」
叫ぶ海軍大佐を盾にセルゲイがオセロットに向け銃を構える。
銃声が鳴り響くと、セルゲイと海軍大佐の遺体が転がっていた。
二人を殺害するとオセロットは爆弾のスイッチを起動。
船内へ海水がなだれ込んで来る。
スネークはオセロットの元へ走り、銃を向けた。
それに気づいたオセロットはスネークへ目を向ける。
すると急にオセロットの右腕が動き出し、オセロットの顔つきが変わった。
「久しぶりだな!兄弟!そう、俺だよ」
この声はリキッド…?
オセロットはシャドーモセスで切断された右腕にリキッドの腕を移植したのだった。
リキッドの執念なのだろうか?オセロットの身体を乗っ取った。
リキッドはRAYへ乗り込むと、水圧カッターで壁に穴をあけ外へと脱出した。
スネークは衝撃で海へと投げ出された。
タンカーは破壊され、メタルギアは雄叫びを開けると海へと消えていった。
コックピット内でオセロットが無線で何者かと話している。
「全て順調。予定通りです。
ええ、例のポイントです。
サイファーでスネークの絵も抑えました。明日のニュースが楽しみです…
海兵隊の計画も海の藻屑と…ええ…大統領…」
METAL GEAR SOLID 2 SONS OF LIBERTY
タンカー編 -END-